2009年8月23日

Ubuntu で Amarok 1.4 を使う

Linux で使える iPod 対応のメディアプレイヤーとして優れているのの一つに Amarok 1.4 があります。

1: Ubuntu 9.04 以降で Amarok 1.4 を使うには

Ubuntu 9.04 以降のバージョンのディストリビューションに含まれている Amarok のパッケージのバージョンは 2 です。これは Amarok 1.4 を愛用してきた Ubuntu ユーザーにとっては非常に残念な事だと思います。 Amarok 2 が標準になった Ubuntu で Amarok 1.4 を使用出来るようにする PPA を公開してくれている素晴らしい方がおりますので、その方の公開している PPA を有難く使わせてもらいます。

!mad.Works

これには素晴らしいの一言。賞賛の声もすごい。(PPA を公開して下さっているのは Bogdan という方です。 THANKS Bogdan!!!)

・Ubuntu 9,10 以降でのインストールサポート (Launchpad PPA, 10.04 対応)

$ sudo add-apt-repository ppa:bogdanb/amarok14
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install amarok14

・この PPA でインストールした Amarok 1.4 で MP3 が再生出来ない

amarok14-engine-xine は再生に libxine1-ffmpeg を利用します。これは「推奨パッケージ」として提供されていており、インストールしなくても Amarok が動作します。しかし、これがインストールされていないと MP3 を再生することは出来ません。

amaork14-engine-xine から推奨パッケージの libxine1-ffmpeg をインストールすると mp3 を再生出来ます。

2: ライブラリの管理に MySQL を使用する

AmaroK 1.4 は音楽の管理に SQLite を標準で使用しており、これによって音楽ライブラリを管理することができますが、音楽の管理に使用するデータベースを MySQL に変更することでデータベースの肥大化に対応出来ます。システム側で AmaroK 用のデータベースを作成して使用します。

・MySQL のインストール

MySQL Server と MySQL Criant をインストールします。 Ubuntu では Synaptic マネージャを利用して mysql-server をインストールすればあとはすべて必要なものを自動的にインストールしてくれるので簡単です。

・MySQL サーバーにログイン

Ubuntu Linux 8.04 以降ではインストール時に MySQL サーバーへのログインパスワードの設定を求められますが、これが出なかった場合は手動でログインパスワードを設定する必要があります。

(ここからはコマンド・ライン端末を使用しての作業)

$ mysqladmin -u root password ○○○○

○○○○に MySQL サーバーにログインするパスワードを入れて設定。

・データベースの作成

$ mysql -p -u root

入力すると設定したパスワードを求められるので入力。認証されるとサーバーにログイン。

ここからは一行づつ入力してデータベースの作成。

mysql> CREATE DATABASE amarok;

mysql> USE mysql;

mysql> GRANT ALL ON amarok.* TO amarok@localhost IDENTIFIED BY '○○○○';

(ローカルホストの amarok ユーザからのアクセスをすべて許可し、その amarok ユーザのパスワードを○○○○と設定する。ここは各自任意で入力)

mysql> FLUSH PRIVILEGES;

mysql> quit

これで Amarok に使用するデータベースの作成は完了。

・AmaroK での設定

メニューから「設定」→「コレクション」へ。
使用するデータベースを MySQL に設定し、次の項目を入力。

Hostname : localhost
Database : amarok
Port : 3306
Username : amarok
Password : ○○○○ (データベースのアクセスに設定したパスワード)

適用ボタンを押して設定を終了させ、エラーが表示されなければ成功。コレクションの再構築を実行すれば、MySQL による音楽管理になります。

3: iPod への楽曲転送

iPod に楽曲を転送するには、デバイスの設定を行う必要があります。メニューから「設定」→「Amarok の設定」→「メディアデバイス」で使用するデバイスを追加します。


「デバイスを追加」を選択し、必要な項目を設定します。


「デバイスの名前」で接続する iPod の名前、「デバイスのマウントポイント」でその iPod がマウントされているディレクトリを指定します。「OK」を押して「適用」すると、既にマウントポイントに iPod がマウントされている場合は「接続」してくれます。以降は Amarok 起動時に iPod がマウントされているとその時に接続してくれるようになります。 Amarok 起動後に iPod をマウントした場合は、手動で「接続」をクリックして接続出来ます。 iPod の世代を自動で正確に認識してくれていれば iPod との接続は正常です。

「プレイリスト」から楽曲をドラッグ・アンド・ドロップで接続している「デバイス」にドロップすると、楽曲は「転送キュー」にキューイングされます。「転送」を選択するとキューの楽曲が iPod に転送されます。この時 iPod の残り容量は楽曲を「転送キュー」に移動した時点でその楽曲に適用されるアートワークのサイズも含め正確に算出してくれます。キューの下の青いバーの右端が赤くなると容量オーバーです。

転送が終了したら「接続を切断」で Amarok から iPod を切断します。その後 iPod をシステムからアンマウントしてから iPod が正常に動作するか確認して完了です。

4: Amarok 1.4 と Last.fm を連動させる

Last.fm のアカウントを持っていれば Amarok 1.4 で Last.fm と連動できます。設定項目で自分のアカウント情報を入力すれば OK です。


Last.fm と連動させると「Last.fm」への再生情報の送信、更新が出来ます。また、 Amarok 側から Last.fm ストリームに直接接続したり、再生中のアーティストに関連するアーティストを表示し、その情報を簡単に調べる事もできます。 Last.fm と連動させると「関連情報」の項目に「そのアーティストに関連するアーティスト」の情報が表示されるようになります。自分のライブラリにあるアーティスト以外は斜体で表示されます。

情報が欲しいアーティストをクリックすると、そのアーティストを Wikipedia 等で簡単に調べる事が出来ます。また、「そのアーティストに関係するアーティスト」も表示されます。

5: スクリプトの利用

Amaork は機能を柔軟に補強する為の強力なスクリプト機能を備えています。これらのスクリプトを使用すると Amarok をより便利に使用する事が出来ます。


メニューから「ツール」→「スクリプトマネージャ」でマネージャを開き、「他のスクリプトを取得する」をクリックするとオンラインでスクリプトを取得できます。しかし、これによって提示されるスクリプトは一部のものだけなので、他のものを探す場合には KDE デスクトップ環境カスタマイズの為のサイトである「KDE-Apps.org」が利用できます。

・KDE-Apps.rog
http://www.kde-apps.org/index.php?xcontentmode=56

Amarok 1.4 に対応したスクリプトは「Amarok Scripts」の項目に投稿されています。