2010年4月28日

Ubuntu のログイン画面をカスタマイズする

(10.10)GDM2Setup でログイン画面の外観を変更

GDM2Setup

GDM2Setup を導入すると Ubuntu のログイン画面(GDM)をカスタマイズ出来る。 GDM テーマを用いてログイン画面を大幅に変更するのは面倒だが、このツールを使うと Ubuntu の「外観の変更」でサポートされている範囲でログイン画面をカスタマイズする事が可能だ。

・インストール (Launchpad PPA, 10.04 対応)


$ sudo add-apt-repository ppa:gdm2setup/gdm2setup
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install python-gdm2setup

インストールすると「システム管理」に「Login Screen (GDM2Setup)」が登録される。これを選択するとログイン画面をカスタマイズ出来る。カスタマイズ出来る項目は以下の通り。

・General

ログイン設定。初めから設定出来る「ログイン設定」と大体内容は同じ。

・Wallpaper

ログイン画面の背景。ログイン画面の背景が設定した画像になる。「Blur」をクリックするとボヤかす事も出来る。

・Decoration

ログイン画面の GDM テーマをカスタマイズ出来る。変更できるのはログイン画面の「GTK テーマ」と「アイコンテーマ」。インストールしているものを含めて「外観の設定」で設定した外観と統一すると見栄えが良くなるかもしれない。


(11.04)Ubuntu Tweak でログイン画面の背景を変更

Ubuntu Tweak

Ubuntu Desktop の強力なカスタマイズツールである「Ubuntu Tweak」を導入するとログイン画面の背景の変更が出来る。なお、 Ubuntu Tweak はこれ以外にも様々な設定が簡単に行える非常に便利なツールなので、 Ubuntu のデスクトップをカスタマイズしたい際にはインストールしておいて損はない。

LiberOS - Ubuntu をインストールしたらすぐに追加したい「Ubuntu Tweak」

・インストール (Launchpad PPA, 11.04 対応)

$ sudo add-apt-repository ppa:tualatrix/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install ubuntu-tweak

インストールすると「システム管理」に「Ubuntu Tweak」が登録される。実行して Ubuntu Tweak の設定項目のひとつである「スタートアップ」から「ログインの設定」を選択。変更できる外観は「ロゴ」と「背景」。



(11.10)Simple Lightdm Manager を使う

Ubuntu 11.10 ではログインが LightDM に変更されている。この画面をカスタマイズするには Simple Lightdm Manager が使えるようだ。

なんでもかんでもコンピュータ - 【Ubuntu 11.10】ログイン画面の背景とロゴをGUIで変更(カスタマイズ)するツール -- Simple-Lightdm-Manager


(12.04)ログインしようとしているユーザーの壁紙が表示される

Ubuntu 12.04 ではログインしようとしているユーザーの壁紙が表示される(ログインするユーザーを決定するとそのユーザーの壁紙が動的に表示される)。その動作性からログイン画面の背景をカスタマイズする必要性は薄れている。

見られて恥ずかしい壁紙を使っているとログインしなくても見られる点に注意が必要。

2010年4月16日

ノンリニア動画編集ソフト OpenShot による動画編集

Ubuntu 10.04 からバージョン 1.1 がリポジトリに登録される、ノンリニア動画編集ソフトの新星「OpenShot」の紹介。

OpenShot

・簡単な使い方

素材をクリップとして取り込み、それをドラッグアンドドロップでタイムラインに配置していく。配置したクリップには「トランジション」と「効果」タグから選択した効果をドラッグアンドドロップで付与する事が出来る。簡単に使う分にはこれらの操作とタイムラインの操作だけで動画編集を行える。


・OpenShot の設定

メニューから「編集」→「設定」で行えるが、非常にシンプルな構成で重要な設定は作成する動画の「ビデオ・プロファイル」の設定ぐらいしかない。ちなみにこれは「プロファイル」を選択すると自分で定義する事が可能。


・クリップに適用出来る演出効果

クリップを配置して右クリックするとそのクリップに演出効果をつける事が出来る。 OpenShot ではあらかじめこの効果として「フェード(フェードイン・アウト)」、「アニメーション効果(移動とズーム)」、「配置(クリップの大きさと配置)」のプリセットが用意されており、これを組み合わせるだけである程度の効果をつける事が出来るが、細かい設定は「属性」を選択する事で行える。


属性を選択するとこのような設定ウィンドウが開き、クリップの詳細な設定が出来る。


「一般」

クリップの「映像」と「音声」の制御(出力するかしないか)を設定出来る。

「長さ」

再生するクリップの長さ(クリップ全体の再生時間からの再生箇所の指定)を秒単位で設定出来る。

「スピード」

クリップの再生速度を指定出来る。シンプル設定では「2倍」や「2分の1」といった単位で、詳細設定では秒単位で指定できる。また、再生方法を逆再生に指定する事も出来る。

「配置」

クリップの「始点」から「終点」までのキーフレム内でのクリップの状態を設定出来る。設定できるのは「大きさ(%)」、「表示位置(%)」、「アルファ値(%)」の三つで、始点と終点でこの値を定義することによってクリップの状態が変化(アニメーション)するようになる。

「オーディオ」

クリップのオーディオ出力設定が出来る。「ボリューム」と「フェードイン・アウト」効果の使用及び効果時間の秒単位での設定が可能。

「ビデオ」

クリップのビデオ出力設定が出来る。「Stretch Full Screen(クリップをビデオ・プロファイルの大きさにストレッチして表示する)」と「Maintain Aspect Ratio(クリップのアスペクト比を維持する)」オプションと、表示の並べ方の設定、「フェードイン・アウト」効果の使用及び効果時間の秒単位での設定が可能。

「効果」

エフェクト効果を追加することが出来る。このエフェクト効果はタブの「効果」から選択してクリップにドラックアンドドロップで付与する事が出来るが、詳細な設定や削除はここから行える。

設定した効果は「プレビュー」で確認できる非常に便利な仕様になっており、特に「配置」の確認はこのプレビュー機能が非常に役に立つ。

・映像のトランジション

映像のトランジション処理には「トランジション」タグから付与したい効果を選択し、その位置にドラッグアンドドロップで付与する。


トランジションは適用する「範囲」及び「方向」を指定でき、範囲内で指定した方向にある隣接したトラックへと映像のトランジション処理が行われる。トランジション処理が行われる領域及び方向はタイムライン上に視覚的に表示される。また、トランジションは「マスク」に指定する事も出来る。こうするとトランジションはアニメーションしなくなり、指定した範囲のマスキングとして機能する。トランジション及びマスクの効果範囲を指定するには「リサイズツール」を使ってトランジションの端をつまんでリサイズしてやればよい。


これらの設定も付与したトランジションを右クリックして操作出来、また「属性」で詳細な設定が可能だ。


・タイトルクリップの作成

メニューから「タイトル」を選択するとタイトルクリップを作成出来る。様々な形のプリセットを選択し、そこからタイトルクリップを作る事が出来る。「Use Advanced Editor」を実行すると、作成したものを更に「Inkscape ベクターグラフィックスエディタ」で詳細編集する事が出来る。


作ったクリップはプロジェクトに追加され、クリップとして使用できるようになる。上手く使えばタイトルのみではなく字幕機能としても利用できそうだ。


・動画のレンダリング

「ビデオファイルの書き出し」ボタンをクリックすると動画をレンダリングする。レンダリングには「シンプル」と「詳細」を指定でき、シンプルでは一定のプリセットにおける動画のレンダリング、詳細設定では OpenShot がサポートする限りのあらゆるコーデックの組み合わせでレンダリングが可能。


簡単に触れてみたが、 OpenShot は「シンプル」と「機能性」を上手く両立させた操作感となっている。機能性に関しては現状は Kdenlive に及ぶとは思えないが、安定性に優れ十分に使い易く、便利に活用できる動画編集ソフトの一つである事には間違いない。将来的な機能面の向上が楽しみだ。